ああこいつうざったいなあ。普段の姿知ってるだけ余計に。
「ふはははは、それしきの攻撃で俺様の青デッキを破ろうとはギャラ甘い!」
「ギャラギャラうるせェよ馬鹿」
こういう妙にテンションの高い人間が嫌いだ。相手をしていると疲れる。
「全く、何でお前なんかと組まなきゃなんねーんだ」
「まだジャックが諦め切れないのか?」
「諦められるわけねえだろ」
自分が約束したのはジャックとだけだ。他の誰とも組む気はない。
第一こいつうざったいし。
この勝負が終わったらあの衣装ひん剥いてやろうか。
そうしたらこいつはどんな顔をするのだろうか。
「俺様がパートナーではそんなに不満か」
「ああ、不満だね」
いいから早くフェイズ進めろよ、俺になんて構わなくていいから。対戦相手が待ってんだろ。
「俺様はお前のことは好きだけどな」
「な」
うっかり、動転して、その顔をぶん殴った。
なんだこいつばかなのか。何が好きだけどな、だ馬鹿。第一この場でこのタイミングで他人も居る所で言う事か馬鹿。ああもう。
「なに、この格好の時でなければ言う機会はないだろうからな」
「…一生無ければ良かったのにな」
お前は自己中過ぎるんだ。これだけ人がいる中で、この顔をどうすればいいんだ。馬鹿。お前はその格好の所為で恥ずかしくないかもしれないが。
とりあえず顔を上げられるようになったらそのマントとカツラをひん剥いてやろうと思った。